「ワークシェアリング」という言葉がここ2、3カ月よくニュースで聞かれる。日本語に直すと「仕事を分かち合う」という意味だが、実際の目的は少しニュアンスが違う。政府・与党は、このワークシェアリングを実施してい企業に財政支援を行う方針を固めた。
ワークシェアリングとは現在の不景気に対応する雇用政策である。目的は同じなのですが、大きくわけて3つの形態がある。
ひとつは「緊急逃避型」と呼ばれるもの。これは会社の従業員1人あたりの労働時間を減らし、企業内の雇用を維持するスタイルである。売上不振で本来人員削減しなければいけないところを、1人当たりの労働時間を減らすことによって人件費を減らし、解雇を防止する目的である。
次に「雇用創出型」と呼ばれるスタイル。失業者を救済する目的で国や企業単位で労働時間を減らし、減らした労働時間分を失業者に充てるというもの。今回、政府が支援する方針を固めたのはこのタイプである。仕事を分かち合うという意味では、この雇用創出型がもっとも適しているかもしれない。
最後が「多様就業対応型」と呼ばれるもの。雇用創出型とよく似ているが、こちらは妊婦さんや育児中の人、高齢者のための半日勤務体制など、さまざまな短時間労働を設けて減らした時間分を失業者に充てる。
これら3つのワークシェアリング体制を比較してみると、緊急逃避型だけ企業を守るための政策である。単なる人件費削減であって、失業中の人に対して何も働きかけていない。どちらかというと「守りのスタイル」であって、あまり好ましくない。
ワークシェアリングもさまざまな意見が叫ばれていて、労働組合側は「正社員の賃下げになる」という見方をしている。賃下げとリストラ、労働者にとってどちらがダメージが大きいかは一目瞭然。それこそどこかで「シェアリング」しなければいけないのである。
さんざんニュース等で言われているワークシェアリング問題だが、失業者側ももっと「労働の意欲」を見せるべきだと感じるときもある。テレビの討論番組などで「甘えすぎだ」といった厳しい意見もあるが、それも一理あるように思う。
リストラされたからといって蜂起したら仕事が見つかるのだろうか?その事実をただ受け止められないだけなのでは?反論が来そうだが、基本的に「楽をしたい」という思いがどこかにあるように思う。「あれは嫌だ、これは嫌だ」と選べるうちはまだ幸せだ。
ただ麻生首相の「あなたは何がしたいのですか?」の言葉は、間違ってはいないが一国の首相として口にしてはいけないですね。